著者 Parsa Khazaeepoul、Paneの共同創業者。 この比較に掲載したすべてのエージェント管理ツールを実際の開発で検証しました。 .

cmuxはmanaflow-aiが開発するmacOSネイティブのターミナルアプリ(Swift / AppKit)です。libghosttyを基盤に、GPUで高速に描画します。エージェントの状態を示す縦型サイドバーのタブ、入力待ちで光る青いリング、スクリプトで操作できる組み込みブラウザ、Claude Code Teams連携があります。2026年2月の公開から約3か月後、2026年5月23日にv0.64.10が公開されました。PaneはWindows、Mac、Linuxで動くデスクトップアプリです。worktreeの用意、複数エージェントの管理、差分レビュー、キーボードからのcommit / pushまで、エージェントの起動から完了までを管理します。どちらにも向いている使い方があります。大きな違いは対応OS、worktree管理、ターミナル作業のどこまでを置き換えるかです。
| pane | cmux | |
|---|---|---|
| 対応OS | Windows + Mac + Linux(正式対応) | macOSのみ |
| 初回公開 | 記載なし | 2026年2月(2026年5月23日時点でv0.64.10) |
| worktree管理 | 自動。paneを作るとworktreeを用意し、削除時に片付ける | 手動。cmuxではgit作業を自分で行う |
| エージェント通知UI | エージェントごとのデスクトップ通知と音を内蔵 | 入力待ちになると青いリングが光り、サイドバーのタブを強調 |
| スクリプト / API | デスクトップアプリAPI | libghostty + cmuxlayer経由のMCPレイヤー(26個のMCPツール) |
| セッション保持 | アプリが管理し、再起動後も残る | レイアウト、作業ディレクトリ、scrollback、ブラウザ履歴を保存。実行中のプロセスは復元しない |
| 複数エージェントの管理 | 専用設計。起動、追跡、通知、レビュー、commitに対応 | 組み合わせ可能な部品。自ら「完成した解決策ではなく、部品」と説明 |
| ライセンス | AGPL-3.0(OSI承認のオープンソース) | GPL-3.0。商用ライセンスも提供 |
| 習得の難しさ | 低い。デスクトップアプリの操作 | 低〜中。ターミナル中心で、Homebrewからインストール |
libghosttyによる描画
cmuxは、libghosttyを採用して公開された最初の主要アプリです。libghosttyはGhosttyターミナルプロジェクトの組み込み可能な描画ライブラリです。cmuxはMetalでフォントをGPU描画し、Ghosttyと同じ描画品質を実現します。Ghosttyを別にインストールする必要はありません。
サイドバーでエージェントの状態を確認
cmuxのサイドバーには、workspaceごとにgitブランチ、リンクされたPRの状態と番号、作業ディレクトリ、待ち受け中のport、最新の通知が表示されます。エージェントが入力待ちになると、タブが青いリングで光り、共通の通知パネルにも表示されます。通常のターミナル + tmuxより、画面から多くの状態を確認できます。
組み合わせ可能な部品と組み込みブラウザ
cmuxは、自ら「完成した解決策ではなく、部品」だと明言しています。決まった使い方を押し付ける管理ツールではなく、組み合わせ可能な機能を提供します。組み込みブラウザでは、クリック、フォーム入力、JSの評価、アクセシビリティツリーのsnapshotをスクリプトから実行できます。ローカル優先の経路を使うSSHと、scpのドラッグ&ドロップにも対応します。カスタムコマンドはcmux.jsonから使えます。Claude Code Teamsともネイティブに連携します。
オープンソースでHomebrewからインストール
GPL-3.0のソースはgithub.com/manaflow-ai/cmuxですべて確認できます。Homebrewコマンド1つ、brew tap manaflow-ai/cmux && brew install --cask cmuxでインストールできます。GPLを使えないチーム向けに商用ライセンスもあります。
macOS専用
cmuxはSwift / AppKit製のアプリです。設計上macOSでしか動きません。コミュニティによるWindows移植版wmuxの試みも、この差を裏付けています。移植を試すだけの需要はありますが、公式のWindows対応はありません。PaneはWindows、Mac、Linuxを正式にサポートし、同じ機能を使えます。
worktreeを自動化しない
cmuxはgit worktreeを管理しません。ほかのターミナルと同じく、ブランチとworktreeは手動で作ります。別々のタスクで複数エージェントを並列実行するなら、自作環境と同じようにgit worktree addを実行し、後でremoveする必要があります。
タスク分解や複数エージェントの統括はしない
cmuxが自ら「完成した解決策ではなく、部品」と説明しているのは正確です。タスクをサブエージェントに分けたり、複数エージェントの結果をまとめたり、レビューからcommitまでの流れを整理したりはしません。その作業にはcmuxと別のツールを組み合わせるか、各手順をターミナルで行う必要があります。
セッション復元が弱い
cmuxはレイアウト、作業ディレクトリ、scrollback、ブラウザ履歴を保存します。ただし実行中のプロセスは復元しません。動いているClaude Codeエージェントは再起動すると失われます。長時間動くプロセスの保持はtmuxの方が強力です。Paneはアプリ側でエージェントの状態を管理します。
まだ新しいプロジェクト
cmuxは2026年2月に公開されました。2026年5月時点で約3か月のプロジェクトですが、GitHubのスターは約19.8kです。HNやTwitterで広く話題になり、異例の速さで伸びたと考えられます。中心となる機能は堅実ですが、まだ初期段階です。APIや設定形式は変わる可能性があります。
デュアルライセンスの複雑さ
GPL-3.0と商用ライセンスの選択肢があるため、チームは用途にどちらが適用されるか確認する必要があります。個人開発者やオープンソースのチームなら、GPL-3.0で問題ありません。cmuxを組み込んだり配布したりする商用チームには、商用ライセンスの条件が適用されます。PaneはAGPL-3.0です。どの用途でも有料ライセンスは必要ありません。
worktreeの作成から削除までを管理
Paneで新しいpaneを作ると、安全に分かれたgit worktreeが自動で用意されます。paneを削除するとworktreeも片付きます。git worktree addを手動で実行して、後からremoveする必要はありません。各エージェントは専用のブランチとファイル一式で動きます。
複数エージェントをまとめて管理
Paneは複数エージェントの管理専用に作られています。複数のエージェントを並列で起動し、すべての状態を1つの画面で確認できます。入力が必要になるとデスクトップ通知が届きます。⌘Dで差分を確認し、⌘Kでcommitしてpushできます。タスクの開始からブランチのmergeまで、すべてキーボードで進められます。
WindowsとLinuxに対応
PaneはWindows、Mac、Linuxで動き、機能も同じです。開発者の70%はWindowsかLinuxを使います。チームにWindows開発者が1人でもいれば、cmuxはその人には使えません。Paneならチーム全員が使えます。
差分を確認して承認するUI
エージェントが終わったら、Paneの組み込み差分ビューで変更を確認して承認できます。シンタックスハイライトにも対応します。ターミナルへ移ってgit diffを実行する必要はありません。レビューからcommitまでがPaneの中心機能です。ターミナルコマンドではありません。
cmuxの場合
⌘1〜8でworkspaceを切り替える。エージェントのタブへ移る。エージェントが入力待ちになると青いリングが光る。サイドバーでターミナル出力を確認する。git worktree addでgit worktreeを手動作成する。ターミナルでgh pr createを実行し、pushしてPRを作る。
Paneの場合
Paneを開く。新しいpaneを作ると、git worktreeが自動で用意される。エージェントが組み込みターミナルで起動する。入力が必要になるとデスクトップ通知が届く。⌘Dでシンタックスハイライト付きの差分を開く。⌘Kでcommitしてpushする。完了。
| cmux | pane | 移行メモ |
|---|---|---|
| workspace | pane + worktree | 考え方は1対1。cmuxのworkspaceは名前付きのターミナルグループで、Paneではworktree付きセッションが相当する |
| surface(タブ) | pane | 1対1。cmuxの各タブを1つのPaneセッションに移す |
| pane(ターミナル / ブラウザ) | paneのターミナル | ターミナルpaneは1対1。ブラウザpaneに直接対応する機能はない。Paneはターミナル専用 |
| エージェントセッションのhook(~/.cmuxterm/) | アプリが管理するセッション | ~/.cmuxterm/には再開できるセッションIDが含まれる可能性が高い。移行機能を作るなら、最も扱いやすい対象 |
| ブラウザpane | 対応なし | cmuxの組み込みブラウザをスクリプトで操作する機能に、Paneで対応するものはない |
| cmux.json | 直接対応するものはない | カスタムコマンドの定義。shell設定のaliasかスクリプトとして作り直す |
現在は手動です。ワンクリックの「cmuxからインポート」はPaneのロードマップにあります。cmuxのsnapshot形式はクローズドソースなので、実際のデータを調べて移行機能を作る必要があります。~/.cmuxterm/ディレクトリには再開できるセッションIDが含まれる可能性が高く、最初に扱う対象として最も現実的です。
macOSだけを使うGhosttyユーザーが、ターミナルの流れを変えずにエージェント通知と組み合わせ可能な機能を加えたいなら、cmuxが向いています。軽く、オープンソースで、libghosttyによりGPUで高速に描画します。Homebrewコマンド1つでインストールできます。ターミナルの描画品質よりworktreeの作成から削除までの管理と複数エージェントの統括が重要なら、Paneです。WindowsやLinuxの開発者がいるチームでは唯一の選択肢です。2つは二者択一ではありません。Paneはエージェントの起動から完了までを管理し、cmuxはターミナル中心のまま使えます。